傾城の夜、千の願いー前半


広大なアフリカ大陸
新しい出会いが、新たな世界へと誘う
めくるめく顕われる、とびきりクレイジーな現実
宇宙の意志
信じる?信じない?
それはみんな自身に委ねられているのさ♬

☆★☆★☆★☆


居候先で仲良くなった、モデルのデビー。モデルといってもタレントもする。テレビ番組の司会もしたり、服のデザインもして自分のショーを開いたり、色んなことをしている。それは知ってたけど、実際に一緒に過ごして感心したのは、いろんな業界のビジネスマンとも仕事や経営について話が出来ること、それだけの知識と人脈の広さを持ち合わせていることだ。

「英語がネイティブで、それだけビジネス話が出来るって強いね。
あの美貌で、人脈があって、知識もある、頭も切れる。
それ凄いことよ、大統領よりパワフルじゃない?
今の世界は、民間のチカラが世界を変える時代よ。」
またまたーーー、マキちゃん。トンでもない発言をサラっとしてくれる。

有り金は画材とキャンバスに消え、友人宅を転々と居候生活で乗り切った二ヶ月。
(いやー、これがしたかったんだよね♡ガーナを去った時から夢見ていた、自由/ホームステイ/アート生活@ガーナ。念願叶えちゃった★本当に楽しかった♬)


水源の確保が難しいアフリカ。絵を描く水が蛇口から出る、ありがたさ!!!!!感謝の印に、そしてショコラの絵を欲してくれる恩人に、愛と尊敬を込めて居候先のみんなに絵を描いていたら、なかなか手元に作品が残らない(焦)アフリカで手に入れた画材で、現地で出来ることで作り上げたいと思い、本当に着の身着のまま丸腰でやってきた今回のガーナ。

おかげで必要なのは何か、しみじみと実感。

ガーナのアクリル絵の具は大味だけどダイナミックにいくならそれはいいとして、墨汁と絵筆は日本から持っていかねば!あと万が一に持ち歌の楽譜(泣)旅の始まり、香港で梯子した飲み屋がライブハウス式なバーで、弾き語りボロボロなのは痛かった。パンジーのスタジオではエンジニアのジョーががしきりにレコーディングに誘ってくれたので、今度こそはナイスなコードを収録したい。でも日本でボーカル・トレーニングやライブは、本当にやっててよかった!!!ナショナル・シアターで歌っちゃったし♬人生何が起こるかわからん★かおり先生、ありがとう!!帰国後も宜しくお願いします♥

絵を描いて、バルコニーでくつろいでいたら、デビーからパーティのお誘いがやってきた。
「African Regent Hotelのサロンにいるの。今から来れる?」
ホテルのサロン?マジ、セレブだなーーー。What Is AFRICA?? もう世界がよう分からん。
タクシー飛ばすも、交通渋滞がひどくて車が動かない。首都アクラは通勤ラッシュが酷い。

急遽、ピックアップの場所をLoyalホテルに変更した。もう数えきれないほどタクシーで行き先を告げ、知らない運ちゃんには道案内もしたLoyalは、パンジーの家に行く時の目印。こんなに通った場所だけど、入ったことは一回もなかった。駐車場を抜けてロビーに入ると、意外と広いエントランスが広がる。白い壁にかかるアフリカンな立体絵画を見ながら、茶色いソファに腰掛けた。マキの家から拝借した「The Alchemist」を読みながら、落ち着いた空間で、ゆったりと過ごす。

あと数日で、私はガーナを去る。

エントランスのドアの外からやってきた見知らぬ男性が、
「Hi!ショコラ」と呼びかけたのが分かった。
奥にはデビーの車が見えた。
その男性にエスコートされて車に乗り込むと、彼はホテルのロビーに消えた。

「Hi, デビー。元気?サロンはどうだった?」
「OMG(オーマイガ)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ショコラ!!!!!!とんでもないことが起きたんだけど!!!!!」
「WHAT!??????」
すっかり気が動転してるデビー。
一体何事???
「今の男性、見た?!」
「え、見たけど。どーかしたの?」
「昨日会ったばかりなのに、私と結婚したいって」
エイ!どーやら昨日会ったばかりの彼が、ホテルのサロンに連れていってくれて、ネイルやらマッサージやらを頼んで一緒にくつろいでいたらしい。
求婚は、突然やって来る。アフリカじゃ茶飯事。
「欲しいものは何でも買ってくれるって。一緒にビジネスして、投資しようって。」
エイ!!!どんだけ金持ち!!!
でもデビーの周りには金持ちビジネスマンが溢れている。
だからって、そんなこと言われたって、結婚とか投資とか、今イチぴんと来ない、パンピー(一般ピープル)ショコラ。

「OMG!!!!!私、どうしたらいいか分からない!!!!!
絶対他の人に言っちゃ駄目って言われたんだけどね、この人・・・・・」

えーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

絶句。

絶叫して、言葉を失った二人。

運転するデビーも顔面蒼白。

助手席のショコラも頭が回らない。

互いのアフリカン恋愛Gossip(=Kokonsa)が日本語で広まることは厭わないふたり。

でも、これは流石にヤバい。

ショコラは正直が信条。それが時に人を傷つけるのも知ってる。死の淵まで突き通した嘘もある。それでもギリギリの範囲でリアルに伝えたいのは、どんなことも起こりうる世界に私達は生かされていると証明したいからだ。人間が想像しうることは、いつか実現する。映画のスクリーンの世界は、此方の現実だ。



デビーが知人から紹介された男性とは、
近年暗殺された某国要人の、護衛にあった要職のアフリカ人。



彼の悲劇は、その任務の途中にあって投獄され、長く国を離れた時、その時受けた身体に残る無数の拷問の跡ではなく、残された妻が死を知らされた旦那の葬儀を終え、財産を全て売り払い、使用人の若い男と駆け落ちし、島に隠遁してしまったことだ。

「しかもその島、Banana Islandってゆー超リゾート地ーーーー!!!!!」
エイ!!!!Banana Street, Banana Man, Mr.Onanaに引き続き、またもやBANANA!!!!
絶叫して、泣き笑い。

「君に恋した、もう君以上の人はいないから、今すぐ結婚して僕の子供を生んでくれって。君はいろいろ知ってるから、一緒にビジネスをしようって。」

「ちょ、ちょ、ちょっと待った!いやーーー、分かるけどね、美人でビジネスの話が出来て、変な欲もない。そんなおっさんにしたら、確かに人生のパートナーとしてデビーは打ってつけだけど。でも、」

「私、今すぐ誰かと結婚して、子供何人も生んで、誰かの夫人やるってタイプ???NOーーーーーーー!!!!!!!!
私はショウビズでキャリアを歩む人生よ、結婚も子供も、今はまだいい。
金持ちの友達だって、たくさんいる。今まで色んな金持ちに口説かれてきたわ。
それが、ここに来て、年寄りの、醜い、男性と?」
「え、そんなに年いってた?醜い?」
「見なかった?」
「いや、あんまし見なかったけど。」
人の優先順位はそれぞれだけど、ショコラはあんまし面食いじゃない。
だから見た目を気にする人間が、好みもその逆も真っ先に人の容姿を指摘するのが分かる。
「年上、嫌い?」
「うーん、若いほうが好きかも。ショコラは?」
「私、年上けっこう好きよ。日本じゃ、たいがい年上。
ふーん、デビーは年下がいいんだ。エネルギッシュなのが好き?」
「そうね、セクシーでアクティブなほうが(笑)」

もう完全、女子会トークである(爆)

「私は、金持ちと結婚しようと思ったら他にもいる。
セクシーで、若くて、才能に溢れる、自分の好みの男性と、意図的に妊娠しようと思ったらそう出来るわ。」

今のデビーは恋する乙女だ。彼氏候補No.1は、アフリカ音楽業界の若き大スター。
でも相当に現実的で、色んな計算が出来る、仕事人でもある。
実際に、デビーのところには色んな仕事の話がもってこられ、色んなビジネスマンがデビーの知識を借りに相談に来たりもする。まるでコンサルタント??いや実際、ママは優秀な政策コンサルタントなのだけど。

「彼ね、昔、スナイパーだったんだって。
銃器の輸出入業もしてたんだって。
ライセンスも持ってるって。
でも、もうしたくないって。
幸せじゃないんだって。
幸せになりたいって。」

「ス、スナイパー!!!!!!」
って何?映画の世界?おとぎ話か?コレは。
人生に疲弊しきった、老兵が目に浮かんだ。
戦いと、血と、政権の崩壊、経済の混迷。
かり出され帰らぬ男、取り残された女子供。
REBEL 革命の徒
でもそれが一体、何に対する反逆だというのだ?
理不尽に壊されていく村
汚染される環境
瀕死の地球
それを取り戻すのに、一体なんの罪があるというのだ
社会の教科書ではCHEは謀反を起こしたテロリストだ
でも世界に出れば皆がTシャツに名を刻む英雄だ

「投資、投資、投資……何に投資するのが一番だと思う?
でもそれとは別に、私が欲しいものも、結婚すれば何でも買ってくれるって。
何が欲しい?」

シャカシャカと音を立てて、計算が進められる。
いやーーーーーーー、でもさ、いきなし投資って言われたって!
こちとら二年間アフリカの田舎で泥んこになって暮らした開発ワーカー、現在一年間はアートに打ち込む自由人。いきなし金だ、政治だ、なんだの言われたって、そんな俗世界は遠い昔の彼岸である(泣)

アフリカ駐在の商社マンの皆様!!!!!!どの産業が一番伸びてるんですか???
エマージング投資家の皆様!!!!!アフリカ/ガーナの何に投資したい?????

でもこの時ばかりは二人ともTwitterで最新情報を収拾する余裕もなし。
「鉱業は?」
ガーナは地下資源が豊富で、金やレアメタルを採掘する炭鉱が結構ある。
「うーん。石油やゴールドはブームだけど、私が投資をマネージするの?
リスクも高いわ、それなりの人脈とノウハウもいる。私はマネージしたくない。」
「自分のショウビズで、いろんなこと出来るじゃん」
「それはモチロン!自分のブランド、ファッションショー、色んなプロジェクトの案があるわ。でもその前に投資できるもの、って何だろう」
家に辿り着く小一時間のドライブ。
何が最も自分達の人生に最適な投資か、必死に連想ゲームする。

「不動産かな。私達、実際に家を探してるし」

そう、ママにも言われた。海外に暮らしていたオーナーがガーナに帰国移住するというので、この住み慣れた家を出なくてはならない。素晴らしい庭の蘭たちも、手放さなくてはならない。

「あと車ね!ママは会社の車を使ってるし。みんな一人ずつ、欲しい車が買えるわ。
ショコラはどの車が欲しい??」

は!!!!!車???運転も好きだけど、助手席も好き。そもそも自分で車をメンテナンスするとゆー面倒くさく金がかかることを、真剣に考えたことがない。

「I want him to buy my paintings.....(私の絵を買って欲しいわ)」

どの車が欲しいか訊かれたのに、車は要らないから絵を買って欲しい、とトンチンカンな応答。でも本当に素の、正直な本音!!!デビー大爆笑。

友人宅を泊まり歩く居候生活。
残りのショコラの所持金知ってる?
およそ50ガーナセディ!
ドルを換金しないと土産も買えない!
でも残りのドルも、香港トランジット分を差し引くと、換金できるのは50ドルONLY!!

一億総人口中流階級の日本に生まれ、パンピー家庭に育ったショコラ。
今までの人生は大概、「どーやって金をセーブするか」をメインに考えてきた。
だがここで突然求められたのは、「どーやって金を使うか」
頭の思考はそのように訓練されてないので、働かない、働かない(悲)
あー、でも人のためなら、金も時間も労力も、惜しまずに使ってきたかな、比較的。

前出のTEMAの極妻時代(笑)最初は反吐が出る程悩んだが、一度決めたらもう戻らない覚悟、相手が言うだけの援助をバンバン払ってやった!まーそれで彼らの新興Hiphop勢力が盛り上がるならいいかなと思った。そして破局した。「もう十分や!やり過ぎや、アホ!」という神様の呆れ声が聞こえた。

そして紙切れ以上に大事な自分の時間と労力を一番全力で注いだのは、アフリカ開発ワーカー時代。アフリカの大地を精一杯駆け抜けた二年間、だから東北の被災地も走ることが出来た。自分の人生にとって大切な人、家族、仲間。彼らに注ぐエネルギーと愛。金ではない。

それを全てひっくり返して、「金」を「使う」ことをを中心に考える世界。


「…確実にリターンが得られる投資…」
デビーが繰り返す。

「あのさー、リターンを得る投資と、リターンを考えない投資と、分けて考えたら?
例えば貧困層への教育事業とか、ガーナのためになること」

だって、幸せになりたいんでしょ?その人。
そんなに金が余ってるんだったら、チャリティでもすればいいじゃん。

「ショコラ、投資(Invest)の意味、分かってる?
費やしたお金は、元が取れて、利益が出ないと駄目なの。
そうじゃなきゃ、いつか全部使い果たしちゃうでしょ」

腐るほど余ってる金を、まだ増やしたいのか?
デビーはとてもシビアな現実市場主義だ。
金とビジネスの話はできても、平和共存や地球環境、貧困者支援、そういった頭がない。
言っても分からないだろうな。それを英語で説明することは出来ても、概念を本当に理解させるのは、なかなか難しい。迷っているうちに、家についてしまった。

「ママ!!!!!!!ちょっと聞いてよ、ねぇ。あなたの娘に、大変なことが起きたのよ。
昔、パン屋さん始めたいって言ってたわよね?そのプロポーザル今すぐ書ける?
ちょっともーーーー、聞いてるの??そんな大音量で恐竜アクション映画見てる場合じゃないんだってー!!!!!!!!!!」

日本のお茶の間の如く、大画面の薄型テレビで、大音量のアクション映画を楽しむママ。
物語もちょうど佳境。私達は音量も下げずに大声で今日の出来事を伝えた。
「ショコラ、誰だか言ってあげて、その要人の名前」
「え!!!!!ME????」
アデン!(チュイ語でwhyの意)なかなか口を割らないデビー。
笑っちゃって笑っちゃって、喋れないショコラ。
私に言わせるか??なかなか重いんだよーーー、その名前。
「XXXXX」
日本語英語の発音だと、通じない。
「XXXXX!!!」
英語風の発音にして、やっとママに通じた。
「テロリスト?!」
そうだよね〜〜〜(笑)それが普通の、良識的な人の反応だよね。

ショコラの専攻は国際政治学だった。歴史から現在に至る一般的な潮流、常識として人々に認識されてる世界観と情勢は、一応勉強した。でも様々な体験、出会いが、世界はそれだけじゃないと警鐘を鳴らす。私達が往々にして手にする、目にする、耳にする情報は、誰かのフィルターを通っていて、主観や偏見(バイアス)に犯されている。歴史とは、勝者がつむぐ物語だ。世界を動かすのは、今のシステムで利益を得てる既得権益者だ。

「ショコラのためにサーモンとチーズを買ってたのよ。戻ってきてくれて嬉しいわ」
ママは再び温かくもてなしてくれた。レモンを絞ったサーモンはとろける程においしかった。ママはiPadで調べながら、ルーマニア語で会話を続けた。頭がパニック状態のデビーとショコラは、無心でサラダをむさぼる。
「きっと表舞台には出ない、裏で糸引く人ね」
これ以上は情報が得られそうにもなかった。
私達は今晩出掛ける。賽は振られた、前へ進むしかない。
「彼、ショコラと私のためにロッジを取ってくれてるの。だから今晩は戻らないわ。」
先日の大雨のせいで、地域一体は停電と断水に見舞われている。
ひとり取り残されたママは、寂しそうな顔をした。

「彼ブラックの正装もってないから、Black Partyには行けないわ」
「じゃーJazz Bar +233はどう?友達が、今日は女性シンガーのプログラムで面白いって」
ドレス着て、メイクして、ヒール履いて…
懐かしいなー。最後に夜遊びに出掛けたのは日本のいつだろう?
モモちゃん達と梯子したし女子会@ハプニングバー?(爆)
あー!その後モモちゃんとオカマ友達と出掛けた渋谷のクラブ?!(笑)

デビーが選んでくれた青のドレス。タグを見て、吹き出した。
「デビー、このドレスどうしたの?!」
「え?えーっと、アメリカの友達がくれかな?」
なるほどねーw
「Forever21、やっと日本にも上陸したのよ。That's My Favourite TOOOO!!!!!」

再び車に乗り込んで、夜の街に向かう。
Adeleの切ない音楽を聞きながら、デビーが沈黙を破った。
「小さい頃、物心つく前からよく言ってたの。
”私はお金持ちの年寄りと結婚するの!そして彼を殺して財産を手に入れるの!”
多分ガーナ映画やナイジェリア映画の影響だと思う。
なんでか分からないけどよく言ってたの、でもある日言われたわ。
口にすることは気をつけなきゃいけないって、なぜなら
”If you wish strong, It will come”
(強く願えば、それは実現する)から」

背筋が凍った。

世界的ベストセラーとなった「The Alchemist」
ブラジル人作家のコエーリョ・パウエルは主人公サンチャゴの旅を通して伝える。

「”前兆”に従いなさい。
欲しいものを手に入れる道程は決して楽ではない、
でも何かを強く望めば、宇宙のすべてが協力して、実現するように助けてくれる。」

内なるPersonal Callingに耳を傾けている人間が、どれだけいるだろう?
往々にして、社会で生きる時、土と自然から離れアスファルトとコンクリートに囲まれて暮らすとき、人は心と感覚を閉ざせねばならない。そう、まるで東京で生きるときのように。

旅はそういった閉鎖感を解放する。
生物としての、エネルギー体としての感度が最高に高まる。
逆に高めなければ危険を察知できないし、大事な出会いやチャンスを見過ごすことになる。
海外などの異文化に身を置くときもそうだ。
それがもし自分の要素からかけ離れたエキゾチックな環境なら、
感性は研ぎすまされ、様々な出会いやチャンスを呼び込むことが多分にある。

望めば、実現する。

ショコラは意識的な変化の最中にあったけど、
デビーはきっと体験的にそれを知っている気がした。

何を望み、何を実現する?

渋滞とは逆方向に、夜のアフリカを走り抜け、街へと向かう。
Royalホテルの駐車場で待っていると、男性がやってきた。
思ったより年がいってて、落ち着いた男性だった。
というか雰囲気が普通のアフリカ人とはまるで違う、重い気配が辺りを包み込んだ。
いつもは演奏バンドの目の前にいってライブを楽しむ+233。
この時は完全に接待モード。
人気プログラムとあって店内も込み気味。広いテラスの空いてる相席を見つけ三人で座った。モデルのデビーはどこに居ても知り合いに、ファンに声をかけられる。有名な兄妹と過ごし、いつも誰かに声をかけられ、話し込み、写真を撮るのが当たり前になっていた。

視界の端に見慣れた女の子が入った。
いつもスタジオで仲良くしてた新人女性歌手Lady J!
そうこうするうちに彼女が歌いだした。
可愛い、可愛い、妹的存在なLadyが歌ってる。
こんな蚊帳の外で見てらんない。
思わず席を立って、カメラ片手に撮影に乗り込む。

Efya, most popular female singer in current Ghana,
and Lady J, new talented diva in Pidgen Music

他にもむっちゃいいシンガー達が歌ってる。いつも最高のバンドが演奏する+233。
行儀よくテーブルに座って、外の席から眺めているのは非常に退屈だった。
バーカウンターには、アクラで友達になった写真家やギタリスト、色んな友達に会い声を掛けられ、会話に花が咲いた。いつもと全く違うドレッシーな姿に皆を驚かせたようだった。


wiz Lady J

最後までお行儀良くバーを後にすると、デビーの運転でロッジに向かった。
中庭にはプールがあって、その奥に二階建てのコテージが数件並んでいた。

「わお、またプール! 」
「水着、二着持ってきたわよ!一応ね!」
あっぱれ(笑)

寝室が二部屋の、こぎれいなコテージ。
リビングの赤いソファに三人でくつろいで、ニュースを見やる。
「あ、この中国人。」
男性が呟く。どこかへ亡命中の中国人のインタビューが流れた。
ただ知ってるだけか、なんなのかは分からないけど、裏の人間は裏の世界同士で繋がっているようだった。デビーと目が合う。
「疲れたから先に休むね」
男性は消えた。

Girls Talk Again!!!!!
「あーも〜、Jazz Barでも肩に手を置かれて、本当にウザかったーーー!!!!!
私ショウビズの世界の人間なのよ、本当に困る、あーゆーの。」
アフリカ系/ラテン系だったら、あれくらい全然当たり前である。
でも歌手やモデルはどこにいても顔を出すこと自体が商売。
誰とどこに行くか、世に出る行動全てが格好の宣伝材料。
それがいきなり裏社会の人間と出歩いたら(笑)そりゃー摩擦も半端ナイ。
テレビによくあるガーナ映画が流れる。見やって笑う。
「ショコラこれ知ってるの?」
「長距離バスはいっつも映画と音楽流すからね、見てるわよ」
もう夜中も過ぎていた。
今日一日、色んなことを考えて、私達は疲れていた。

「ショコラのベッドはこっち。じゃあね」

ショコラは目が点になった。
デビーはもう片方の寝室へ、消えて行った。





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