「元銀行員なら分かるでしょ、銀行員が楽な仕事じゃないってこと。本当はやりたくないよ〜…でも生活してくためには仕方ないかな。(副業で)自分の会社立ち上げたのはイベント興行が一番得意なことだから。今までやって来た芸能プロダクションも続けるよ、でも将来的にはレコーデイングを請け負う音楽プロダクションとの複合メデイア会社にするつもり。イベントサイトも立ち上げてね。」 (注・ガーナでは副業が当たり前) サルコジのマネージャーをしてたはずのコーサは、いつの間にか Duncwills を辞めて自分の会社 E JAM を立ち上げていた。い、いつの間に…てゆーか、サルコジ一番取ったばっかじゃん!何を血迷った、本当にいいんか、それで? 「サルコジはもう独り立ちしたからいいんだよ。マネージャーが営業しなくても好きな音楽を周りが持ってくるようになったから。」 あ、そう…そういうもんなの?よく分かんないけど…人の面倒ばっか見て、アンタ若いのにようやるね…本当にタメか? 「でもディ・クライムは絶対売れるよ。ラッパーとしてだけじゃなく R&B 歌手としてもいけるし、ラジオの MC はもちろん TV タレントとして番組も持ってるし。マルチ・エンターテイナーとしてサルコジの上を行くよ」 彼がそういって Duncwills から引き抜いた一押し新人歌手が Dr.Cryme とゆー若者だった。 …誰? でも聞いたことある名前だな…そう思ってネットカフェの兄ちゃんに聞いてみた。 「こないだデータあげたじゃん、いつもサルコジと一緒に歌ってるテマのラッパーだよ」 エイ!探してみたら 仕入れた YOU TUBE ムービー に 埋もれていた 。そしてそれを見て卒倒した。まだ十代かってゆーベビー・フェイスにハーフみたいな顔立ち、大きな瞳。くるくる表情を変えながら、きらきら歌う映像に釘付けになった。ヤバいぞ、この少年… 「 TWI POP 歌ってんだ?チュイ語ってゆーアイデンティティを発信してるのが素敵☆あーでも何より超カワイイ…がんばれー! D-CRYME !!」同居人ナオミから黄色い歓声が飛ぶ。「この子、メッチャ楽しそうに歌いはんねん…そんでもって歌いながウチのこと見て微笑んでんねん…!」とはファンキー保健師カヨちゃんのお言葉。女子隊員の間で一気に流行りファンが増えた。 ひいき目な...