UK★初London/初Squatting(Homeless)/初Gay Clubでparty hard♬②


初夜、寝れない。
寒すぎる。暖炉はあるが火はない。
「つける?何か焼こうか?」
野菜を買ったり、肉を焼いたりするらしい。
お腹ぺこぺこだったのに、食欲も失せる。
箱一杯のドライフルーツがあったので、それをつまむ。
「おいしい!」
「あーそれね、故郷のギリシャのだよー、おいしーっしょ?」
特にデーツとイチジクが最高!
不在の宿主の寝袋があるので、ダウン着たままもぐり込む。
寒くて凍え死にそう。

てゆーかまず、家に辿り着く前に寄り道をした。
「自転車を直す」
といって、スーツケース転がしながら寄った修理屋さん。
「ここも、Squattingのコミュニティなんだよね。明日仕事を紹介してもらうんだ」
Elephnat Castleの裏路地を抜けた、レンガと石畳の奥の住宅街。
のように見えるが、壁一枚へだててアングラな世界が広がる。

そうして着いた宿は、やっぱ一見ホームレスの密集団地とは思えない普通の建物。
でも一階は昔スーパーだったのか、今は廃屋状態なのが伺える。
確かに東京じゃ、こんな放置されたビルは見んな~…

入って愕然、真っ暗なワンルーム。
ここに見知らぬギリシャ人と寝るのか?!
背筋が凍る。
バックパッカーのサイト「Couchsurfing」では、いくもの評判をもらっていた宿だ。
欧米系のバックパッカー、あなたたち一体どーやってこのワンルームでサバイバルしたんですか!!!!!!謎すぎるが、今宵はここで過ごすしかない。軽く恐怖。寝れない。

SHOKOLAをこんな宿に招待した張本人の映画学生は、ドキュメンタリーを撮影しにいったっきり帰ってこない。同居人のギリシア兄ちゃんと部屋で話し込むと、住民たちが帰ってきたのかワイワイがやがや、野太い歌い声が、そして今にも床が抜けそうな木の階段の叫び声があたりにこだまする。

「上にポーランド人が住んでるんだよ」
Squattingってゆーより、Ghettoじゃないか?

床に転がる冊子「How To Squat」

これに書かれているのは、どうやってホームレス生活を送るか。
本当にホームレス生活を送る必要があるのか?
ホームレス生活は、イギリスの法律ではどのように権利があるのか?
警察に、どうやって対処したらいいのか?
大家にはどうしたらいいのか?
コミュニティを築いて、助け合う方法。
その他、こまごまとした生活の知恵まで。

これ一冊で、あなたもホームレス生活!
と副題が付きそうな、ホームレス生活解説書。

同居人の兄ちゃんいわく、Ghettoというのは移民が集まって不法に住み着くことらしい。
SHOKOLAが見たのはギリシャ人とポーランド人しかいないこの建物も、彼らの分類ではSquattingらしい。ちなみに翌朝出会った、勝手口の側にたむろしてたオジさん集団は朝からお酒をあおって赤ら顔「I want to sex !!!!!」と叫ばれた。

盛り上がったのは東欧の歴史トーク(笑)
いやまさか、こんなGhettoばりのSquat Houseで、神聖ローマ帝国だの、ギリシャ正教だの、キプロス島やらローマ十字軍やらなんて話が出るとは…聞くとこの青年、ギリシャの大学で文学史を専攻していたそう。部屋を満たす湿気た煙の匂いと、不釣り合いに香い高い文化トーク。

そうこうして宿主の映画学生が帰って来た!
同級生のイタリアーノ美女学生も一緒。
ふたりとも凍えてる。そりゃそうだ!ロンドンに住んでたって凍える、真冬の屋外。
つーかこの極寒で、外にいたらしい。
なんでそんな異常行動をしてたかとゆーと、

「クラブで待ち構えて、ゲイとレズのドキュメンタリーを撮影してたから」

極寒!クラブ!ゲイ!レズ!
アングラはどこまでもアングラに繋がって行く。
ギリシャ学生はしきりに日本人映画監督について聞いてくる。
勅使河原宏、阿部公房、日本人のSHOKOLAよりよっぽど詳しいオタク青年。

ドキュメンタリーはインタビュー形式で、なかなかいい。
青年の趣味が伺える、センスがギラギラ光ってる。

「I was a man,

   I am a gay now,

   and I am a human being」

そんな一節だったと思う。
それをまたいい間を空けながら言うんだよ。
元男性のスキンヘッド、中性的なフェミニンな顔立ちと静かに燃える瞳。
この撮影直後、その人は泥酔してその場に倒れて、それをほっぽって帰って来たらしい。

「イギリス人てみんなアホだよ。自分の加減も知らずに潰れるまで飲むなんて。」
移民の苦学生たちが呟く。彼らの生活は決して楽ではない。
かといって、いきなり迷い込んだホームレス雑居は、下の下だと思いますが!!!!!

煙草を吸うと宿主の映画学生とイタリアーノ美女学生は出て行ってしまった!
ギャーーー!!!!!!マジで?!
結局取り残されて、寝袋で寝たのでした。
つーか寝れなかった。それはホームレスで寝れなかったんじゃない!
なぜなら同居人のギリシャ青年が変なこと言い出すから!

「図書館てさー、好きなんだよね。(元文学専攻)
ロンドンの本もさ、並べられてるだけよりは人に読まれたほうが断然いいじゃん?
せっかく本なんだから。だからたまにこっそり持って帰ったりするんだ。」

そう、このSquatting主の大学図書館に出入りして、こっそり持ち帰ったもんらしい。
そんなイタズラ心で私のブツまでやられたんんじゃ、たまったもんじゃない!

夜が明けて、日が昇ったのに相変わらず極寒で、とにかくインターネットをせねばということでSHOKOLAもその大学図書館に入れてもらうことになった。

UAL(University of the Arts London)である。続く。

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