コミュニティー巡回!①

やっと!ついに、やっと! フィールドに出る日がやってきた!仕事!仕事?
あぁ、ガーナに来てから早二ヶ月。ここまでの道のり、本当に長かった、、、

ナオミと私は疲労困憊のガーナ初夜から「スンヤニの二人かー!」と、先輩・JICAスタッフから歓待を受けた。気候がよくて過ごしやすいだの、ブロング・アファホ州待望の新人だの、技術プロジェクトの説明だの、云々かんぬん
それがフタをあけてみれば家はない、カウンターパートは動かない、みなの赴任を見送り首都ドミの居残り組み。

無理いって出張扱いで任地に入ってからは、ホテルから大家を訪ね歩き、住居、配属先に通う日々。およそ二週間。 二本松での訓練中はプレゼンが本当に大変だったなぁ。要請内容を調べ、任務に関するテーマを探すのに苦労した。
…それが!レポートやネットでしか知らない世界が現実となる日がやってきた!森林保護区、グリーンベルト(果樹栽培地帯)、そしてコミュニティー!

まずは5月15日に配属先の担当者面々とミーティング。森林サービス局のスンヤニ群局長ディクソンさんは、日本語挨拶が得意の明るいおじさん。活動範囲は二つの森林保護区と、その周辺に位置する6つの、計12個のコミュニティー。プロジェクト・マネージャーや保護区のスーパーバイザー、プランテーション・オフィサーと挨拶。工事や引っ越し準備の関係で、一週間後の5月22日金曜に保護区のひとつ、Tain-1を巡回した。

<配属先の森林サービス局スンヤニ郡役所>
サバンナ気候と熱帯雨林気候の中間に位置する移行帯森林区域に属し、チークの産業林として1932年に設立。面積30.56k㎡、外周31.35㎞。北緯7度22-41分、西経2度13-43分に位置する。周辺コミュニティーの住民構成は先住民族、北方からの移民、ブルキナファソ等の近隣諸国からの移民等々。民族によって言語は全く異なる。先住民族が往々にして支配階級にあり、異民族との間に軋轢が生じているとレポートに書いてあった。

オフィスの廊下に貼ってある地図。色んな保護区やコミュニティの拠点が記されている。が、道はない。 どーやって行くんだろー

当日はトヨタの立派なランド・クルーザーで出発。運転手のおっちゃんと隣の若いオフィサー兄ちゃんがケンカを始める。クーラーをつけるか窓を開けるか、音楽を聴くかニュースを聞くか、どっちでもいいから前見て運転してくれ!大声でまくしたてながらクラクションを響かせタクシーやトラックをぐんぐん追い抜く。時速はとうに100kmを超える。手に汗握る。
突如、アスファルトの幹線道路を外れ赤土のオフロードを走り出す。道は見る間に険しくなり、轍も見えぬほどに生い茂ったブッシュに突進してゆく。頭をぶつけるわ、お尻は痛いわ、全身に脂汗。

私にはもうどこが道だか分からないが、ドライバーには何かが見えるみたい。こりゃー舗装道路がゴーカートになるわけだゎ。単車講習で言われた通り、途上国の道はモトクロス以上のオフロードだった。結局このあり得ない道に一日中揺られることになる。てゆーかこの道、単車で走るわけ?ムリだろ、てゆーかこんなん覚えらんないよ!活動以前に、コミュニティ行けるようになんなきゃ…ハッキリ言って自信ないぞ。



車の背丈以上のブッシュが突然開け、土壁、藁ぶきの家がポツリ、ポツリと見えてくる。コミュニティだ。

それはもう、今まで見たどのガーナとも違う、表情だった。
住居の作りや暮らしぶり、立地のことだけではない。人々の表情が、謙虚さが、都市や街に住むお喋りでおせっかいな人たちや、ちょっと上目線でゴーマニズムな行政サイドの人とは全く違う次元のものだった。

ガーナ国民は大半が熱心なキリスト教徒で、ちょっと話せばたいがい「神を信じるか?」と吹っかけられる。 ここのコミュニティは北方からの移民が多く、ほとんどがイスラム教徒。というわけで金曜はお祈り。村人は村にはいない。ので、会えないと配属先に説明される。残念。(てゆーかこんな森の奥で祈る場所:モスクあるのか?)

というわけで、住民参加型の森林管理プロジェクトの最大成果である、保護区の周辺に設けられた果樹栽培地帯:グリーンベルトを中心に巡回する。コミュニティは通過して、住民と大した交流もないまま畑めぐり。


灼熱地獄の車に揺られすぎて、脳ミソは半溶け状態。正直もうどこのコミュニティの畑だか分からない。落ち着いたマダム・スーパーバイザーのMs.ソリスと、元気な兄ちゃんオフィサー・コフィが一生懸命説明してくれる。一面ブッシュやコーンの茂る畑の中で、どうやってマンゴーやオレンジの小さな苗木をあんなにすぐに見つけるのだろう。

住民参加型プロジェクトを理解し、住民のイニシアティブを主張する反面、プロジェクト終了後の資金減・規模縮小を嘆き、同じセリフや説明を繰り返すのがチグハグに感じた。
極めつけは帰り道に遭遇した、違法伐採の取締現場。森林局の同乗者全員が急に車を降りて、木材を積んだ大型トラックを止めた。運転手を引きずり下ろし、荷台に連行して走行。しばらくして、許可証を持った正規業者ということが判明し、道の途中で降ろした。

もう全く事態が飲み込めない。捕まえたのに違法じゃなかった?何それ。そんなこと許されんの?彼らには彼らの不文律のルールがあり、一定の考えに従って行動したのだろう。その背景を理解することなしに自分の勝手な解釈をしてはいけないと思っても、森林局の一方的なものの見方、高圧的な態度が目につく一日だった。うーん。人の目線や意識を変えるって相当大変のお仕事だよ。疲れるし。


でも森林局サイドからフィールドを巡回して思った。

コミュニティの人たち、いったい本心ではどう思ってるんだろ?
森林局に対して、プロジェクトに対して、それ以上に日々をどう感じてどう過ごしているんだろう。

あーーー、困った。住民の人たち、全くといっていいほど英語は喋らない。現地語もみんな違う言葉だょ。
でも私は、あの道を通ってしまった。彼らの家に訪れるオブロニがどれだけいるだろうか?自惚れではなく、彼らにとって自分の存在の大きさを考えると、あの風景を眺めただけで涙が溢れた。それは、私にとって彼らの存在がそれ以上に特別で意味があるからに他ならない。

新しい言語を学ぶのは本当にまどろっこしい
契約した警備員は時間通りに来ない
家が広すぎて掃除してもゴッキーの死体が日々増産される
でも
道を歩けばお隣さんがマンゴーや卵、井戸の水をくれる
好きな本を読む
パスタを食べる
音楽を聴く
絵を描く

日々の幸せや焦り、色んなドラマから、大事な思いが色褪せないよう。
二年間を全うできますように
私が、私の人生の使命を全うできますように

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