Oti’s Sawmill 4


和やかに会談を終え、そそくさ門に向うミスター・メンス。

ちょっと待って!今日の重要任務は家の工事の詳細についてあなたと話し合うことなのだけど。大体、支払はいったい誰が負担するの?JICAに請求するなら公式な申請書が必要なのよ。オブロニ(現地語で白人の意)小娘たちがケンケンゴーゴーまくしたてると、人の好さそうなミスター・メンスが小声で応えた。

「What I know is that…俺が知ってるのは。あんたらの配属先である森林局と、俺らの社長オチ・イェボアが家を直すと話し合ったってことだ。社長は家を直すのはいいことだと言った。だから俺は直せと言われた。それだけだ」

支払については話し合われてないようで、「JICAが負担すんじゃねぇのか」くらいだった。

ミスター・メンスは従業員を適当に呼びつけて、一緒にバンに乗り込み家を見に行った。
同乗した従業員の大工・配管工・電気技師たちはテキパキと動き、ミスターメンスは私たちの要望を一つずつメモしていった。自分からメモをとるガーナ人を初めて見て、これまたナオミと目を見合わせ感動した。

たまたま大家が製材会社のオーナーだったから蛇口とシンクがついたけど、もしそうでなかったらあの家は一生でき上らなかっただろう。

それとも森林保護区域をあまた要する森林局、違法伐採を取り締まるのは保護区の森林資源が重要な外貨獲得手段だから。地元の製材会社とは切っても切れない深い付き合いがあるのだろう。工事費は誰が負担するのか。森林局と製材会社はいったいどんな関係にあるのか。解けかけた謎はまた一段と靄を増し、まるで私の巡回先のコミュニティーを覆う森のごとく包み隠してしまうのだった。


コメント

谷口真吾 さんの投稿…
このブログの読者になったぞ。
最初から読者やけど。
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