首都アクラから任地スンヤニに帰るのは、
直通バスを使う。
バス・ステーションの裏にはガーナでは珍しい
貨物列車の線路が走っていて、
もちろん垣根なんてない路肩には
家や店がひしめきあい、
ゴミと湯気と喧噪が立ち込める。
おばちゃんちをのぞくと、
パームの実からパームオイルを作っている。
そのおばちゃんの手に持つのは
ガーナでは高級のブッシュミート。
要はネズミ。
寝ぼけまなこでバスの出発を待つ。
たいがい1、2時間は待ちぼうけ。
裏の線路をキャッキャ言いながら歩く。
曇り朝、線路、朝ごはんの屋台、
なんでこんなに新鮮な気持ちだったんだろう
後になって気がついた
日本では線路と生活は交わることのない別世界だった
色と色が綺麗に折り重なるマーブル
日本にはない配色を楽しむ
常連のスンヤニバスは
ドライバーも事務所のおっちゃんも友達
バスを待つ夫婦、行商のおばちゃん、
クラクション、汽笛、曇り空に立ち込める湯気と喧噪
プラスチックチェアに身を沈め
異国のマーブルに心がなごむ
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