異文化交流1ー恋愛ー


「ご飯代がないから朝食は二日に一回」
「家に帰る交通費がない」
「学費がないから学校辞める」
「重度のマラリアにかかったけど治療費がないから病院にいけない」
「ケータイ失くして連絡がとれない」
いつも歌って踊ってばっかの同期女子隊員と八月の隊員総会にて
SHOKOLAは…中央のドーリー・ラスターです!
女子隊員のぶっちゃけトークは話題に事欠かないが、やっぱ一番盛り上がるのは恋愛ネタである。文化の違いをこれほど思い知らされることは他にない。上記は全部、彼女たちとそのガーナ人彼氏との日常会話の1コマである。

ボランティアだって金はないのだ!予算を持たない協力隊は物や金を使わない援助がモットーだし!

現地の物価水準で支給される生活費、そうは言っても私たちの生活水準を考慮した額は、ガーナ人の生活水準をいくらか上回る。(さらにそのはるか上を凌ぐ金持ちガーナ人、外国人ビジネスマン、外交官もわんさかいる)
ある日アクラモールのレストランでひとりランチをしていたら、
突然お洒落なカクテルが出て来た。
バーカウンターにいたワイン商の南ア人オブロニおじいちゃんの奢りだった。
そのままおじーちゃんちでワインパーティ!
外人居住区でメチャクチャ奇麗な空間
バツ2で酸いも甘いも知り尽くした人生の達人に
「my beautiful, you are always welcomed」と口説かれ、
本気で考え込んでしまった(笑)
普段お世話になっているシスターが、コミュニティで可愛がっている子供が、物乞いではなく本当に窮していたら、あなたはどうしますか?

だって本当にお腹を空かせているし、デコボコの山道オフロードを毎日何時間も歩いているし、常に裸足でそこら中駆け回ってるんだよ?(男前コイクが一緒になって裸足でと競争したら、数歩で足の裏の皮が全めくれしたそうだ。私たちオブロニの身体は本当にヨワイ)

そんな子供たちはどんなにお腹が空いていようとも、万が一フフやトフィー(ご飯や飴ちゃん)を人から与えられたのなら、文句も言わずに兄弟や友達と分け合って食べる。「共有」することが、彼らの文化だからだ。日本のクソガキのように与えられた苺ショートケーキ独り占めにしたりはしない。絶対に。
さて、そんな彼らのローカル「文化」にひとたび組み込まれたなら、あなたは郷に従うことが出来ますか?

この文脈でいくと、持っているものは分け与え、持たないものはそれを享受し、「分け合う」ことが前提なのだ。

ガーナでは子供が当たり前に出来ることも、異国で育ったオブロニには本当に抵抗がある。苺を独占するクソガキはあなたに他ならない。

「私のものは私のもの」「私の財布は私の財布」「私のラップトップは私のものよ!」

ここでは何が愛なのかは愚問である。だって、お金があって、いい暮らしを経験してきて、ラップトップ持ってて、外の世界から来た白い肌をしているあなたが、全部をひっくるめてあなたなんだから。
My Love!!ガーナのR&Bアイドル歌手Dr.CRYMEと★
素直で超いい子…勝手に姉気分…
奇麗な米英語を歌うように喋るラッパーです
You Tubeで彼の曲(MeneWoa, Kill me shy)がダウンロードできるよ☆
帰り際に小銭渡して「これでおいしいご飯でも食べてね」そこに思いやりがあれば、その金は愛になるのだ。

ボランティアで来ているのに、自分の持っているものを、自分の一番大切な人に快く差し出すことが出来ない。そして悩む。自分はいったい誰のためのボランティアなのか、と。

学校やコミュニティでは物や金に頼らない自発的・継続的な援助をモットーに活動に勤しむが、じゃぁプライベートはといえば、活動や生活で削った身銭を自分のそばにいる人につぎ込んでいるのだ。

矛盾はこれで終わらない。持っているものが分け与えるのが当たり前のガーナ文化、持た無ければ、それを持つ親しい者に「おねだり」することも愛情表現なのだ。ここが一番理解できない。なぜなら私たちにとって金銭貸借や物乞いは社会的タブー、金を乞うなんて「恥」の武士道文化、それで路頭に迷い首を吊る中小企業の社長が後を絶たない社会に生まれ育った人間なのだ。

Rapperサルコジ&オブロニモデルの2ショットを激写!
イベントのVIPルームにて
いや、関係は謎ですが…
道端のナンパ同様、ガーナ人は本当によく物を乞う。もうほぼ挨拶に等しいのだ。「オブロニ、結婚してるか?」次に聞かれるのは「アクラでパン買ってきてくれた?」「こないだの写真ちょーだい!」「メペ・トフィー(I want TOFFY!!飴ちょーだい!)」コミュニティで子供が駆け寄ってきて、満面の笑みで言うなら可愛いよ、「ごめんね~、今日忘れちゃったからまた明日ね!」その明日は永遠に来ないか、たまーに思い出される。こないだフフをご馳走してくれた姉ちゃんなら「ハイ!今日の手土産はプランテーン・チップス!(スナック菓子)」といってたまにお礼もする。

知り合いや普段お世話になってる人ならまだしも、道端ですれ違う見も知りもしない全くの赤の他人でさえこの図々しさなのである。彼氏彼女であれば融通しあうのが当たり前。もう「家族」なのだから。ここまで来ると、よく巷で言う「尽くす派」「尽くされる派」の範疇を超えている。

文化を受け入れることができるか?言語に始まる社会背景を理解し、その文脈に生きることができるか?

そしてこんなdeepな異文化交流をしている隊員が、多くないと思いきや、意外といるのだ!適応能力は人それぞれ、それがいいのか悪いのかも分からない。ただ言えるのは、食事や現地語に始まりその瞬間その瞬間を単純に楽しむことができる人は、案外どこでも誰とでも簡単にdeepな関係が築けるのかもしれない。
2010年前期隊員機関紙とろとろ編集委員の女子☆
右はセクシーダンサーのCathy
左は天然EraAdwoa
女子トーク炸裂の三人娘。SHOKOLAの心の支えです!
日本の親御さん、親戚、友人、知人のみなさん、心配はご無用です!

彼女達はたくましく生きて、案外普通に暮らしてるから!セコイ物売りやお釣りをごまかす運転手、なかなかマケテくれない市場のビッグママとも互角に張り合ってるから!もしくはガーナ人も驚くガーナっぷりで、値切るか乞うか逆ナンし返してるから(笑)チュイ語を巧みに操って。その様子といったらもー、腹抱えて爆笑モンですよ。

もちろん彼女たちも一方的に言われっぱなしなワケではない。伊達に途上国でひとりで暮らしサバイバルに活動してないのだ、聞けばどのカップルもたいがい喧嘩が絶えないか、何かしら火種がちらほらしている。受け入れらんないものはどう足掻いても無理なのだ、そのアレルギー反応のようなものはもうあなたの遺伝子、曲げずに自分のままで居ればいい。だってあなたのパートナーがあなたを受け入れることで、真の「異文化交流」が成り立つのだから。

「許容と妥協は紙一重」
SHOKOLAがいつだか放った一言を、シスター・ナオミが覚えていた。

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