LAST環境教育

最後の最後の学校巡回!
いや教師でもなんでもないんだけど!
でもこのアフラスの子供達が通うエシアイエム学校で環境教育をすれば、テイン1森林保護区の回りの活動先コミュニティにある学校五校を一応全部回ったことになる。
乾期の野火対策と、
異文化交流と、
自分に出来る身の回りのことを
細々と地味に始めた学校活動。

特別枠をもらい、
中学一年生と二年生の合同クラス。
結局朝から午後まで丸一日もらってしまった。

アイスブレーキングは日本語の挨拶から!
みんな必死でノートに書き書き
途中で気づいた
この地区、貧しい移民の村で郡の境界にある田舎で
森の奥に住む子供は徒歩二時間かけて通う。
生徒も少ないし、校舎も半壊で、
半分以上の生徒が青空教室。
なのに、他の四校のどの学校よりも
ノート保持率が高かった
全員が全員、きちんとノートを取っていた
生徒の授業に対する真剣さが伝わって来た

「幸せなら手を叩こう」
英語!チュイ語!日本語!
大声で大合唱
一番燃えるのは先生達

私が拙いチュイ語と英語で一言喋れば、
全ての意を汲み取って
熱心な先生が子供達に分かりやすいように
チュイ語で詳細に説明してくれる。
私はみんなの興味関心を引ければそれで十分
外人ボランティアって、その為にいるんでしょ?

社会科の先生エリックは、
私が用意した教材を自ら手に取って
子供達に説明してくれた。
これは野火の原因のひとつに、
火を放って獣を獲ることがある説明の絵。

環境教育の後は美術クラス!
SHOKOLAは美術とか音楽とかART系科目が大好きだった
なによりも子供の柔軟な創造力が発揮される分野だから
心を豊かにするには感受性を伸ばすのが一番
自由で柔軟な子供の心には、多くの可能性が秘められている

テーマは「環境」
日本の環境児童画展にみんなで出展するために
アートのクラスなんてみんな初めて
戸惑っていた子達も、
いつの間にか集中して黙々と描き出す

子供が描く、右脳炸裂の自由奔放な絵が大好き
キレイな色使いに思わず見とれた

とても優しい校長マダムグレース
「昔、教育学校で美術クラスを習ったのを思い出したわ」
子供達を真剣に見入っていた

帰りの集会
小学校の校庭にて

アフラスの子供達は、これからあのオフロードを二時間かけて帰って行く

丸一日立ちっぱで授業を行いクタクタだった。
やばいなー、疲れすぎてぶっ倒れそう。
明日から行われるワークショップのために、この日の夜クマシに移動しなければ行けなかった。最後のバイク巡回、最後の授業、バイクがあるうちに孤児院にも行かなきゃ…熱っぽい体を引きずり「じゃあね」とバイクに股がろうとした帰り際、社会科先生のエリックと校長のマダムグレースに呼び止められた。

「校舎は半壊が日に日に進んで、これ以上待つ事は出来ない。
学校校舎再建プロジェクトはどうなった?」
SHOKOLAの前任者でもある
Assembly Man地域の政治家さんPRINCEに紹介した、
開発援助プログラム。
先生達はその進捗状況を訊いてきたのだった。

SHOKOLAは一線引いて
地域の住民、先生、教育省、行政、政治家、
みんなが会議を重ねて問題を共有して
校舎の一部改修とか出来ることから取りかかって、
プロジェクトをみんなでデザインして、
そういうプロセスを見守って来たのだった。

熱血漢のエリックがぶちまけた。
「Assembly Manは一体何ヶ月かかってるんだ!
そんなに時間がかかるなら、自分が市役所に行ってエンジニアに相談して、
首都に行って担当者に会って、プロポーザルを書く!」

プロポーザル作業はとても困難で、
正直言って一介の田舎の中学先生に書き上げられる代物ではない。
その場がどうしようも収まらないので、
PRINCEに電話した。

あちこちのコミュニティを飛び回るPRINCE
なのにいつも相談に乗ってくれて、
お願い事に応じてくれる熱心な政治家さん。
この一ヶ月だって連絡取ってないし、
村のチーフでもある彼のもとに
むしろこちらから挨拶に出向かなきゃいけないのに。

「YAA!!!!!! 元気かい?」
明るく力強い声に安堵する
「ごめんねー、連絡してなくて。実は入院してて…」
「エイ!一体どうしたの?今はもう大丈夫なの?」

明日からPAFORMのフォローアッププロジェクトが始まるんだよ。
PRINCEが担当していた、アフラス村の代表も行くんだよ
みんなでモリンガ石鹸ちゃんと作ってるよ、
スンヤニのホテルやアクラのJICAショップで売ってるよ

PRINCEには報告したいこと、
お礼を言いたいことがたくさんあった。
先生達には分からない、知らない、私達の関係があるのだ。
一通り話し終えて、
学校再建のプロポーザルの話を切り出した。

「明日バイクで学校に行くよ、先生達に説明しに」
PRINCEはやっぱりいつでもSHOKOLAのお願い事を無理して
聞き入れてしまうのだ
申し訳なさを通り越して言葉にならない

それでも納得しない先生達に受話器を渡した
自分の口で言いなさいよ

SHOKOLAには威勢のいい先生達
ガーナ人は縦社会で争い事を避ける
政治家さんの弁には敵わず若いエリックは無言でPRNICEの言葉を聞いていた

「コミュニティが無関心だ!
子供のケアはしないし、学校に興味はないし、
一体なんだと思ってるんだ!」

ボランティアを始めたばかりの頃、
そういった関係者間の愚痴を聞かされた時、
ひとり真に受け、深刻に悩み、
焦って空回っていた。

勘違いしていたのだ。
彼らはただ、聞いて欲しいのだ。
確かに本心からそう言ってるのだけれども、
ただ気にかけて聞いてくれる存在が必要だったのだ。

教育者は子供に熱心だけど、
田舎の学校に配属されて本当に頭が下がるけど、
それでもやっぱり端から見てるとプライドが邪魔して
コミュニティに打ち解けてない場合が往々にある。
その溝が生むのは誤解とすれ違いだけだ。

PRINCEが言う
「公立学校はコミュニティの財産だ。
この学校再建プロジェクトは
コミュニティが自ら取り組まなければならないんだ。
教育省から給料をもらってる先生は辞令が出て
転勤したらいなくなっちゃうじゃないか」

それは正論で、
でも実際に学校で働いて劣悪な環境で
毎日子供と過ごすのは先生達なのだ。

先生達も引き下がらない。
「コミュニティは学校のことを全く知らない!
校舎が今どんな状況か知ってる?
雨期が来たら全員避難だよ」

今まで愚痴を聞く事ができたSHOKOLAももういなくなる
先生達とAssembly Manが直接話し合って、
これからは当事者同士で直接問題を共有してもらうしかない

板挟みになりながら先生達の状況を率直に伝えて、
PRINCEはそれでもSHOKOLAを気遣ってくれた

「ワイフも子供達もmiss youだよ」
PRINCEのワイフはSHOKOLAの一歳年上で
長女は去年十歳を迎えた
「I miss them too... miss you...」
本来ならAYIGBE村に挨拶に行かなきゃいけないのに
それすら出来ない

本当に本当にただただ申し訳が立たなかった

でももう行かなきゃ
孤児院に行って、クマシに行かなきゃ。

いつもアフラスに行く為に素通りしてしまうエシアイエム学校のマーケットに立ち寄り、軽食を買ってほおばりながら、村のみんなに挨拶して回った。長老さん達はいないようだった。おばちゃんやおっちゃん達に挨拶して、校長からもらったクッキーを子供達にあげた。

こうして、またひとつの別れが終わっていった
あと何回、別れを繰り返すんだろう

未来を知りたいなんて思わないし、
計画した、先の見えるレールを歩くなんてまっぴらゴメンだけど、
でも言わずにはいれない
「meko mekrom, nti, mebesiaba」
「国に帰るけど、また戻ってくるから」

私はまたガーナに戻ってくる
なんでだか分かんないけど、
ただ漠然とそう思う

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