被災地の皆様へーガーナからのラブレターー

こんにちわ!
想いの丈を拙くぶちまける、このブログを見てくだすってる皆様方。
本当にありがとうございます。
書いたり描いたりしないと、どうにも感情を処理できず前に進めないタチのようで、今はひたすら書いて描いて、ネットでガーナと音楽とアートを追う日々です。
元気に引きこもりしています、心配ご無用です!

3月11日の東日本大地震から一ヶ月。
先週末、東北地方は再び大きな地震に襲われました。
横浜にいても度々大きな揺れを感じました。
さらに雨が降り、夜は久方ぶりに冷え込みました。
アフリカ帰りの身にはこの寒さがとても堪えます。
被災地で再びこの大地震に遭遇された方、
避難先の凍える寝床で停電を経験された方、
皆様の状況は察してもあまり有ります。

そんな被災地の皆様へ、
灼熱のガーナよりラブレターをお届けします。
赤道直下の熱風が、皆様の心を少しでも暖めることが出来たなら幸いです。

3月11日から一ヶ月の先週末、
西アフリカはガーナの首都アクラで、在ガーナ日本人(主に首都在住の大使館関係者、JICA関係者による有志)による、東日本大震災復興支援のためのチャリティイベントが開かれました。その様子はガーナのメディアにも大々的に取り上げられました。


インターネットでも数日前から何度か特集され、私はその情報を追っていました。
この日、首都アクラでは伝統文化舞踊の大きな舞台があったり、ガーナ・ミュージック・アウォードという日本のレコード大賞やアメリカのグラミー賞に匹敵する大きな音楽祭典があったりで、私は各種情報源とツイッター、フェイスブックを行ったり来たりしていました。


とその時、友人のガーナ人歌手ヤスミンの呟きが目に飛び込みました。
4月9日、ガーナ最大のショッピングモール、アクラモールで行われた日本人のチャリティイベントに参加した彼女は、その様子をリアルタイムでツイッターから情報発信してくれたのでした。彼女の呟きには写真が添付されていて、イベントの様子がよく分かりました。最初に飛び込んだ写真には、大きな日本の日の丸にガーナ人が応援メッセージを書き込んでいました。


彼女は日本人のファンにもフォローされていて、私は正直驚いたものでした。
でも彼女の美しい歌声が日本やアジアの皆様にも届いていると思うと、とても嬉しかったです。なにより彼女が素晴らしいのは、他者を気遣う優しさです。ガーナではアーティストによる環境に優しいフリーマーケットの開催を主催したりしていて、このようなチャリティイベントにも積極的に参加するもの、彼女の性格や思考を考えると当然のように思えました。
歌手の彼女は、日本人によるチャリティ演奏を聞いて涙したと呟いていました。


私は一個人として、友人のヤスミンに感謝しました。
彼女の呼びかけに応じて、他のガーナ人もイベントの参加を呼びかけていました。
新聞記事によると、集められた寄付は日本赤十字社に送られるそうです。
ヤスミンのおかげで、私は遠く西アフリカの故郷で、ガーナ人が日本のために行動し、エールを送っているのを知る事ができました。


ガーナは一年中うだるように暑く、震災一週間後に成田空港に降り立った私は、そのあまりの寒さに身も心も震えました。春が待ち遠しかった。寒さは私からアフリカを遠ざけるようで、恨めしかった。桜の開花を待ち焦がれました。ついに近所の公園の桜を満開を迎えました。でも思ったほどには、桜は私を暖めてくれなかった。優しい薄紅色の、舞い散る桜の、その下で陽気な親子の声が響き、陽だまりでほのぼの温かく時を過ごすお年寄り。全てが調和のとれた美しい日本の春がそこにあたりました。でも私は泣きそうなほどに切なかった。灼熱の空気と、サハラの砂塵が、恋しかった。

ヤスミンの写真は、そのガーナの熱を少しだけ、私の心に届けてくれた。
もちろん、首都の高級ショッピングモールで行われたチャリティイベントです。
ガーナの中でも金持ちガーナ人と、先進国からのビジネスマンしかいない場所です。私が活動していた村落の人々とは無縁の世界で、途上国の国内格差を象徴するような場所です。

でもアフリカの故郷で、友人が日本を想い、日本のために祈り、日本のために行動してくれていると思うと、静かに、心が震えました。
ガーナ人歌手のヤスミンだけじゃありません。
スタジオで出会ったナイジェリア歌手のベロニ
大地震の数日後、出会い頭に彼女は「日本のために祈りたい」といって、愛、自由、平和、信念、そういった日本語を歌に入れて、祈りの歌を歌い収録しました。私と日本人の友人は一緒に太鼓や伝統楽器を叩いて、蒸し風呂のようなスタジオでセッションしました。
みんなのビートが最高に交わり、ひとつに響いた瞬間、私も友人も涙ぐみました。
彼女は今でも日本のことや、私達、日本人みなのことをとても気にかけてくれています。


私はなぜかアフリカで音楽家達と交流することが多く、メッセージを発することが使命であり生業である友人をたまたまここに紹介しましたが、遠く遥か彼方のアフリカから応援するのは彼らだけではありません。本当にたくさんの温かいエールが、世界中から日本に送られています。



ケニアの首都ナイロビ最大のスラム街キベラから届けられた、子供達の祈りの歌。
彼らの歌声が私達の胸に突き刺さるのは、同情からじゃない。
彼らの祈りが、純粋だからです。
そして祈りを送っているのは、ケニアのキベラの子供達だけじゃない。
ガーナの子供達も、大人達も、アフリカ中の、世界中の人々が、日本を想っています。

先日、ご近所のマダムにひとつ応援をもらいました。
「今時、夢をきらきら語る若者は少ないわ。
元気の無い日本の若者に、メッセージを発信して」
私自身は一般家庭に育ち、普通に育った日本人女性で、ただちょっと好奇心が旺盛なのかもしれないけど、周りの友人もとてもアクティブな人が多く、はっきり言って日本の若者がどれほど元気がないのか全く持って実感がありません。

ただ、一般人として、常識を持った日本人として言わせて欲しい。
私は大学時代、国際政治を専攻しました。
そこで学んだ事は、国家や組織、人間は常にパワーゲームの駆け引きを演じているという事実です。
卒業後、私は銀行で働きました。
そこで垣間みたのは、天文学的な金額の金融商品が日々売買され、世界の底辺を動かしているマネーゲームでした。

世界中から、日本への温かい応援が届いています。
身体を張って危険な区域で活動される自衛隊の方々、諸外国の応援部隊の皆様には、頭が上がりません。そして被災地で最も苦しまれている皆様には、申し上げるべき言葉も見つかりません。

世界中から頂く手厚い支援は、日本という国への信頼、復興への期待、エール、が込められており、全てに感謝すべきことです。

日本は絶対に復興しますよ。
そんなことは、PIMCOの会長が震災直後にどっかの新聞に寄稿しなくとも、分かりきったことです。
日本はそれだけの底力がある国です。
だからこそ、そんなパワーゲームやマネーゲームに決して加わる事の無い、アフリカの祈りと歌声は心に響くんです。彼らの応援は、決して見返りを求めません。

瓦礫を撤去するのに人出は必要で、炊き出しには食材が必要で、結局支援には人と金と物が必要です。それは国際協力の現場でも同じです。でもその後、その現場に何が残るかは人、次第です。

アフリカ諸国が何してくれた?
軍隊もよこさないし、資金援助だってしないじゃないか。
そう言われるのならそれで結構、あなたは自然の限りを破壊し、世界中の富を吸い上げ、権力争いに明け暮れる一部の国々とだけ付き合っていけばいい。

でも私達は自然と共に生きていて、自然なしには生きていけない儚い動物で、今も毎日マグマを突き上げる地球の鼓動を感じるならば、大地を揺るがす自然の脅威に少しでも畏怖を感じ、共に生きることを考えるのであれば。

キベラの子供達の歌声は、アクラのガーナ人の呼びかけは、あなたの心の琴線に、少しでも触れることが出来るんじゃないでしょうか。


青年海外協力隊として、途上国の田舎でサバイバルして来た同期達が、被災地でのボランティア活動に奮闘しています。私も、同じ西アフリカのニジェール共和国で村落開発普及員をしていた同期隊員に声を掛けていただき、来週から三陸海岸南部に入ります。自分に出来ることを出来る範囲で行い、それが結果的に何かの役に立てれば幸いです。

きっと現場に入れば、また抱く想いも異なると思います。
でも震災一ヶ月後のこの時期に届けられた
ガーナの友人やケニアの子供達からのエール。
誰かひとりでも多くの人に届けることが出来たらと思い、
文章にしました。

コメント

谷口真吾 さんの投稿…
ヤスミンの歌か・・・。
聴きたいヤスミン。
Unknown さんの投稿…
ピゴトラさん、ありがとうございます♡
アップします!
Afia Naomi さんのコメント…
ね。アフリカからの祈りには見返りが無いよね。当時は当たり前すぎて気づかなかったけど、今振り返ればそんな言葉や想いにすごく心を洗ってもらってたなー。

今皆無だよ。"I'm sorry"とか"I'll pray for you"って言ってくれる人。
"God bless you"なんてチュイで毎日言われていたのにね。

そんな習慣が身についたおかげで、今でも"sorry"って言葉が頻繁に口から出そうになる。(You know謝る意味じゃなくてね!)
でもこれからも言い続ける!!
Unknown さんの投稿…
シスター・ナオミ!!!
sorryこれからも言い続けていこうよ!
謝る意味じゃなくてね、気遣いだよね。
てっぴーはエベ語の相づち「エー」の癖が抜けないらしいよw
ねー、bless u とかpray 4uってね、そんなに相手を思いやる習慣。部屋に入って来た見知らぬ人に「こんにちわ」って、自然と言葉が出ちゃって。凄い怪訝な顔をされたので、入って来た人全員に言ってやった!

いいモンはいいモンね、これからも「思いやり」なアフリカン・マインドは貫こうぜ!
シスター!!

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