カウンター・カルチャー・ショック

パンジーに会いたい
パンジーの場所に帰りたい

だからガーナに戻ったといっても過言ではない

別にパンジーは恋人ではなく、友達というほど釣り合いのとれた距離感でもなければ、
もちろん血の繋がった家族でもなく、かといって知り合いというには遠すぎる。

でもこの繋がりは、まさしく「家族」的な温かさ

だがしかし!この一年ロクに連絡を取ったわけでもなく(笑)
彼の兄弟や仲間と繋がっているショコラは、心配もせずのうのうとガーナに帰って来て、もちろん居候するつもりでやってきた(爆)

でもさすがに道中、タクシーの中で緊張してきた。
すごいドキドキして門を開けた。
庭も家も、なにもかもが記憶と変わらない風景だった。
らせん階段を上がると、そこはパンジーの部屋とスタジオがある。
キッチンに入ると、知った顔と知らない顔が出迎える。
歓喜の再会!!!!!!
あれ、珍しい、赤ちゃんがいる。
「パンジーの子だよ」
えーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!
そう。パンジーはお父さんになっていたのだ!


完全音楽バカのプロデューサーで、あまりにも女っけがないから勝手に性癖を心配した一年前が懐かしい(笑)ごめんなさい!ベイビーは六ヶ月。お母さんは、若くて優しそうないい人だった。パンジーに会う前に、ベイビーを抱き上げる。可愛い。

ただ、そりゃ一年もたてば様相も変わる訳で、家具も変わって、この日はなんだか洋服も山積みで、今思えば朝の掃除の前だったんだろーけどキッチンも床にカスが散らかり放題で、ベイビーを抱きながら入ったスタジオも機材が整理されて減ったような、でも埃かぶってるのもあったり、つーか床中どこもかしこも素足で歩くと砂埃とゴミでじゃりじゃりしていて、とってもショックだった。

汚い…

やっぱり思い出は美化される。
知った顔が少ないのも手伝って、ますます寂しくなった。
パンジーに会う前からカウンター・カルチャー・ショックにおちいる。

「パンジー、奥にいる?」
「いるよ、挨拶しておいで」

ベイビーを抱えながら、おそるおそるドアを開ける。

「ショコラーーーーー!!!!!」

パンジーは変わってなかった。
でもちょっとおっきくなってた気がした(笑)
そしてますます仏さんみたいになった気がした。

「歩きたがってるんだよね」

本当に愛おしそうに、我が子をあやすパンジー。
言葉が出て来なかった。
ただただ、今パンジーと存在するこの時間が愛しい。
ショコラは胸が詰まりすぎて会話が出来なかった。
パンジーは優しく微笑む。もうまるで仏サマ。

階下に住むパンジーの弟一家にもご挨拶。

「ヤー・ショコーーーーー!!!!!」

アカン民族チュイ語ばりばりのこの一家は、まさにガーナっぷり満載で出迎えてくれた。
ショコラも、小難しい英語の説明より現地語の挨拶のほうがよっぽど気が楽!
しこたま話していたら、パンジーの奥さんと女友達が入って来た。
彼女達が出て行くと、マダムにぽそっと言われた。

「パンジーの奥さん、リベリア人なのよ」

え。あっそう。
あーーー、だから彼女達の話す英語、分かりにくかったんだ。
でもなんだって、わざわざそんなこと言うの?
リベリア人ってだけで、違う目で見られるんだろうか?
あ、チュイ語わかんないからだ!
やっばい。テンション上がって、ずーっとチュイ語で喋ってたぞ。。。

異文化コミュニケーション
新たな人間関係

そこに見知らぬオブロニ(白人男性)が登場!もの凄い早口の英語!
聞くとアイルランド人。早すぎて訛りがあるのかないのかも分からない。
(普通、アイリッシュはもの凄い訛っていると言われる)

チュイ語だってこの一年でひどく忘れているのに、
まったく分からないリベリア英語、
そして早口なアイリッシュ英語
私はあの場で一体なにをコミュニケーションしていたんだろう(笑)

今から空港に友達を迎えにいかなきゃいけないと伝えると、そのオブロニ男性は自分も空港に用事があるからといって、自分の車(運転手付きの立派なランクル)で空港まで送ってくれるという。優しい(泣)

感動と、でもそれ以上になんかいろいろショックだった再会。帰郷の初日。
今日のところはこのくらいにしといて、今から空港に行かなくちゃ。サヨナラを言いに、ふたたびらせん階段を上がってパンジーに挨拶。

「どこに行ってたんだ!探したんだよ」

さっきは会話が弾まなかった会話が、今はじけた。
座敷童子は勝手に上がり込んで、勝手に消えるのだ◎

友達がのってきたエミレーツは一時間も遅れて到着した。
マークというそのオブロニ男性は、結局その一時間もショコラの時間つぶしに付き合って世間話をしてくれ、そのままショコラ達をオスの繁華街へと送ってくれた。彼は神です。

分からないながらに苦労して理解したところによると、彼はなんかいろいろやってるらしーが、今はとあるドキュメンタリー映像を作ってるらしい。


繁華街オスの家に帰ってくると、なんとライトオフ(停電)!!!!!
This is Ghana!! This is Africa!!
昨日はレコーディング、今日はダンスのリハーサルと忙しい親友。
その家は、いろんなアーティストが集うまさに「アート・ファクトリー」
若手のガーナ人アーティストが集って、夜な夜な行われたリハーサル。
電気がないなら?じゃー外でやっちゃおう!
蚊にかまれながら、懐中電灯と携帯電話で照らして、南国植物溢れるお庭でリハ開始♬


リハ終了!!!お腹が空いたーーー
リハが終わる頃には、街には明かりが戻っていた。
新たに発掘したタイ料理屋さんでがっつく女子三人。
「もう食べてきたよん」
そうですよね、だからリハに二時間も遅刻してきたんですよね(笑)
新進気鋭のギタリスト・チェチェクが上機嫌でギターをかき鳴らす

店のタイ人のお姉ちゃんが歌いだす。これまた上手い!
親友マキちゃんも、チェチェクと見事なコンビで歌い上げる。

チェチェクの弾き語りが最高潮に盛り上がる。
そこで歌い始めた「Human Being」
ショコラは言葉を失った。
日本に帰ってからライブでも歌った大好きなガーナの歌。

「ケニア人だって、ソマリア人だって、日本人だって、みんな同じ人間だよ」

数えきれないほど家で歌い、ピアノのコードを作って、弾き語りを練習した曲。

作った本人ワンラブにすらまだ再会してないのに、今チェチェクが目の前で歌っている。
歌うだけでなく、彼のスキャンダルな事件や過激な歌の内容にまで話が及んで盛り上がった(笑)繁華街での、音楽フリークによる世間話、最新ゴシップ情報。


チェチェクの連れのアメリカ人マイケルも、ギタリスト。
「日本でツアーやったとき、被災地も回ったよー
本当に凄まじい光景だね
言葉を失ったよ」

齢26歳のこのギタリストは、延々とカントリーを弾き語ってくれ、
日本でまわった地方都市の様子もいろいろ話してくれた。
ガーナ!!!西アフリカの、国際文化都市・アクラ。
なんだってこんな凄いアーティストがごろごろしてるんだ??

マキちゃんのアート・ファクトリーに帰ってからは、ガールズ・トーク。
ひたすらぼやくショコラ

「超ショックだったーーーーー!!!!!
パンジーんちが汚い〜〜〜〜〜泣
もうこうなったら私が掃除するーーーー」

半べそ状態で眠りに落ちた

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