BANGKOK★オネエ僧侶と寺院めぐってセレモニーを見る♬2


道端の売り子や屋台をかわしながら、足早にすり抜けるオネエ僧侶。早!
かと思いきや「インドネシアに帰ったらみんなに見せるの~」といっていたるシーンを激写していく。それも早業で売り子も気づかない。さ、さっすが現地人。

「ここ、川が見えるポイントよ。でもポリスが警備してるみたいね」
とかなんとか川辺を見させてくださいとポリスにお願いしながら僧侶特権を大いに使ってイケメンポリス達と記念写真!嬉しそう!オネエを確信した瞬間です。乗じて一緒にパチり(笑)


ワットポーに辿り着いた。と同時に、入り口前でオネエ僧侶の友達から電話がかかってきた。
「約束が五時になったわ!これでセレモニーもゆっくり見れる~!ワットポーも一緒にいきましょ!アタシは現地人だからこっちから、アナタは拝観料払わないとよ」
チケットを買う。入り口でも何かをこちゃこちゃ言われたのだが、一緒にすり抜けて観覧。


全ての仏塔、全ての仏様にご挨拶。
「ここに来るの、五年ぶりなの。懐かしい~~~」
といって目に映る何もかもを激写。
足の裏も激写。SHOKOLAのお参りの様子も激写。



途中、仏像を修復してるような作業中のお兄さんたちとすれ違う。
「これ、直してるの?」
「ああ、仏像はね、こーやって作られてるのよ…」
軽く質問したつもりが、オネエ僧侶が話始めると作業員のお兄さんがパーッと後ずさる。
うわ、お坊さん威力。そうだった、彼はMonkなのだ。


次の場所はカーペット敷の大きなホールで、正面に大きな仏像があってお祈りをする場所だった。(写真可の場所でした)
たくさんの人がお祈りをしていて、一段高くなった左手の壇上にはお坊さんが立って話している。
「じゃあ、アタシはここからお話するわね」
にわかに壇上にあがり、座禅を組んで話し始めるオネエ僧侶!!!!!
そうだった!!!!!あなたはMonkでした!!!!!
でもマシンガン・トークは変わらない!!!!!
突然の出来事にポカンとして聞き入っていると、後ろの白人観光客が一緒になって聞いている姿が目に入った。明らかにSHOKOLA一人に対して、壇上からまるでマーケットの井戸端会議並に話まくるオネエ僧侶。タイ人、観光客たちの奇異の目。当人は真剣そのもの。お、オカシすぎる、このシチュエーション…ありがたいはずの説法なのに、笑いをこらえるのに必死…もう爆笑をこらえるので必死だった(涙)



極めつけ、敷地内で白いテントを張ってる作業員の側に、茶色い正装に身を包む初老男性二人。優しそうで上品なジェントルマン。慇懃にオネエに話しかける。ねんごろに返すオネエ。
「コンニチワ」日本語で話しかけられた!
「王様のセレモニーがあるっていったでしょ、本番のとき王様がここに来るのよ。その道や設備の準備をしてるんだって。こちら、側近の方々ですって」
宮内庁といったところか。別れ際も、深々とオネエに挨拶をする。
…そうですね、アナタはMonkでした。






ほぼ全ての仏サマにご挨拶を終えて、暑さでヘロヘロ。
ヤバい、さすがにぶっ倒れそうだ。
オネエ僧侶はワットポーを出ると、ジュースを奢ってくれた。
「これはタイでよくあるローカルな飲み物なのよ」
果物ジュースとシャーベットの、駄菓子のような懐かしいシェイク。

そのまま道端のマーケットを再び通り抜けて、川べりベストスポットへ移動した。
もう随分歩いて随分話して、随分仏サマも見たのに、オネエ僧侶の名前を知らない。
「名前、なんていうの?」
「サニー。アティでもいいわ。タイ語で太陽って意味。」
きっとこれあだ名だ、お坊さんは本名はないのかな?
「アティ」
いい名前だね、太陽。
ほんとうの太陽のごとく辺りを明るく照らす、目映いお坊さん。
周りにはなぜか太陽男が多い。


川縁の欄干にはタイ人のおばちゃんが群がる。その後ろで観覧決め込むSHOKOLAとオネエ。
前に乗り出したくてウズウズしてるアティ。本当の本気で王様セレモニーを楽しみにしている。待つ間もいろんな解説をしてくれるアティ。ついつい忘れてしまうそうですが、そうです今の連れはMonkです。超友達感覚のオネエ僧侶…新しい…

横にいたフランス人のオジさんに話しかけられた。
「一体これは、なんのイベントなんですか?」
「王様もセレモニーみたいですが…こちらの方のがよくご存知ですよ」
アティにバトンタッチ!水を得た魚のごとく滔々と説明するアティ。坊さんだもの、解説の有り難さが半端ナイ。目をキラキラして聞き入るフランス人オジさん。
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
「いいですよ、モチロン!」

ここで事件が起きた。

フランス人オジさん、SHOKOLA、アティ、三人ならんでポーズをとったとき、SHOKOLAが勢いでアティの腕に触れた。目の前にいたタイ人おばさん軍団がどよめいた。なんで?するとどこからともなくタイ人のオヤジがやってきて、アティに何かを言い散らかしている。タイ語だから分からない。なんだろう、不穏な空気。戸惑うフランス人おじさんとSHOKOLA。
聞き流していたアティ、タイ人オヤジの帰った後態度が変わった。
タイ語でおばさん達と話し込んでいる。とゆーか一方的に何かを話している。
しばらくして苦い顔してアティが話した。
「僧侶だから女性と街をうろつくなってゆーのよ。アタシはただ友達としてタイを案内していただけなのに!女性に近づくなってゆーけど、じゃあ海外いくときシートで隣あったらどーなのよ!あの田舎ジジイ、同じ言葉ばっか繰り返して、聞き取れない変なことも言ってたし、ちょっと言動がオカシいわ。あーやだ、まだ睨んでるし」
そうです!!!仏教徒の五戒では、女の人と親しくしてはイケナイのです!!!
それって完全に、写真撮ろうとしてオネエに触っちゃったSHOKOLAのせいじゃん!!!!!
ご、ゴメンナサイ、アティ………

「アタシは街を歩いて観光もしちゃイケナイのよ、だからベスポジで見ることが出来ないからこうして後ろから立って見てるわ、気にしないでねおばちゃん達」
これは本心でベスポジから見たそうだったが、おばちゃん達にも同意を求めるようにタイ語で話しかけるアティ。なんだかとっても悲しくなってしまった。今日アティとの冒険すべてが台無しになった気がした。一緒に歩いてはイケナイ存在だったのだ、私達は。だからアティはあんなに足早に街を歩いていたのだ。まるで人目をはばかるように。自分の浅はかな行動のせいでアティのせっかくの親切を台無しにしてしまって、泣きたくなってきた。

そうこうしてるうち式が始まった。たくさんのボートが川下りを始め、目の前を通過していく。色んな形の、いろんな色のボートが、いろんなお辞儀をする船乗りをたくさん載せて川を下って行く。せっかくのパレード、なのに悲しくてアティと目を合わせることが出来ない。


「いいのよ、アタシは後ろで見てることしか出来ないから!」
アティは本当に見たがっていた。タイ人のおばさんが、じゃー椅子にのぼっちゃいなさいよ!といって石造りの長椅子の上の荷物をのけて、アティのためにスペースを作った。ついでにフランス人のオジさんも登って鑑賞。よく見えて、嬉しそうな二人。お嬢ちゃん、アンタもそこじゃ見にくいでしょ、のぼちゃいなさいよ。ぴーちく進めてくれるおばちゃん達。ありがとう、でもSHOKOLAの位置だとアティの隣になっちゃうから登れない。また何言われるかも分からない。そう言って遠慮すると、じゃー順番変わりなさいよ!お坊さんこっち、間にフランス人が立って、お嬢ちゃん端っこ!これで問題ないでしょ?そう言ってSHOKOLAの手を引っ張って台の上に上げた。三人立つのがやっとの長椅子。眺めは最高で、タイ人のおばちゃん達が優しく笑っている。後ろから睨んでる田舎ジジイも、なんにも言えない。

アティが嬉しそうにセレモニーを眺めている。
隣のフランス人おじちゃんのおかげで、またアティと同じタイの景色を眺めている。
セレモニーは盛大で、船はどんどん流れて行く。演奏が鳴り響き、川が赤や金色の鮮やかな船とその装飾、華やかな衣装を着た船乗り達で彩られる。船乗り達は独特な漕ぎ方のパフォーマンスを行う。


アティの隣の長椅子に立っているおばさんに質問されて話し込んでいる。
どうやら中国系インドネシア人で、これまたインドネシア語で盛り上がっている。
「あたし、インドネシアに滞在中なのよ!インドネシアの方に母国のタイでお会い出来るなんて、嬉しいわ~!」ね?!といわんばかりに、振り返ってSHOKOLAに満面の笑顔を送ってくれた。やったね、アティ♬ニッコリ返した。

セレモニーが終わると、ちょうど五時前だった。
「どこに帰るの?」
「とりあえず宿のあるカオサンに行くかな」
「じゃーこのバス乗れば早いわよ」
言うが早いか乗るが早いか、ローカル線に乗り込む。
メールアドレスを紙に書いて交換する、のもお互い触れないので隣に座ってた小学生を介して紙を交換する。なるほど。


カオサンに辿り着くと、
「コレ食べたことある?」
と聞きながら手押し車の屋台で売られているアイスクリームを買ってくれた。
「小さい頃、よくコレを食べてたのよ。懐かしいわ」
スイートコーンや緑や赤のゼリーが入った、柔らかいアイスクリームがカップに入って渡された。甘すぎず、優しい、懐かしい駄菓子屋の味がする。


別れぎわ、ハグも出来なければ握手もできない。
「ありがとうございました、素敵な一日でした」
「じゃあね」
アティは例のごとく足早に去っていき、あっという間に人と車の影に消えて行った。

お坊さんというのはお布施や寄付で生計をたてているので、本当はいくらか渡すべきだったらしい。
というか親切心であれ観光や案内をしてもらった場合は、心付けを渡すのがマナーでもある。
最後、いや途中から、ジュースをおごってくれた時から「いいのよ、今回は。タイのお客さんなんだから、アタシがもてなしたいだけなの。タイを好きになってくれて、いい思い出を家族や友達に話して、みんながタイのことを好きなって、またタイに来て欲しいわ」と言っていた。結局最後もなにも言わずにサラっと別れた。いつも顔を合わせるタイ人のおじさんにも「なんだってあの日はMonkと一緒に歩いてたんだ?!」と驚かれた。

駄菓子の味が切なく甘い、オネエ僧侶とのバンコク珍道中でした。

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